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「住宅ローンと保険」災害時の支払い免除制度とは?

災害大国・日本で知っておきたい“万が一”への備え

地震や台風、水害などの自然災害は毎年のように発生しています。
住宅ローンを組んでマイホームを持つ人にとって、災害は「家を失うだけでなく、ローンだけが残る」という最悪の事態を招くこともあります。
そんなときに役立つのが「災害時の支払い免除制度」や「特別措置」と呼ばれる救済制度です。
仕組みを正しく理解しておくことで、いざというときの備えが大きく変わります。

1. 災害時に受けられる特例措置とは

災害で住宅が被害を受けたとき、政府が「災害救助法」を適用した地域では、金融機関が特別な対応を行うことがあります。
これが、住宅ローンの返済に関する「特例措置」です。

主な内容は次のとおりです。

  • 返済の一時猶予:最長で1年間ほど返済を停止または減額できる
  • 返済期間の延長:毎月の返済額を減らすために返済期間を延ばす
  • 再建・修繕資金の追加融資:被災住宅の修繕や再建のための資金を低金利で借りられる

これらは金融機関の判断で行われるため、被災したら早めに銀行やローン会社に相談することが大切です。
手続きには、市町村が発行する「罹災証明書」が必要になります。

2. 「自然災害による被災者の債務整理ガイドライン」

被災により返済が難しくなった場合、2016年に始まった「自然災害による被災者の債務整理ガイドライン」という制度を利用できる可能性があります。
これは、自己破産をせずに住宅ローンなどの返済を減額または免除できる公的な支援制度です。

対象となる災害は地震、台風、洪水、土砂災害、津波、火山噴火など。
条件としては、災害救助法が適用された地域に居住していて、災害による損害や収入減少で返済が難しくなった人が対象になります。

この制度の最大の特徴は、信用情報に傷がつかないことです。
通常の債務整理とは異なり、ブラックリストに登録されることなく、弁護士を通じて返済免除や減額が可能です。

3. 団体信用生命保険(団信)の災害対応

住宅ローン契約時に多くの人が加入しているのが「団体信用生命保険(団信)」です。
一般的には、契約者が死亡または高度障害になった場合にローン残高が保険で完済されます。
最近ではこれに加えて、災害や病気による就業不能を補償する団信も増えています。

  • 自然災害補償付き団信:地震・津波・噴火などによる住宅の全壊・半壊時にローン残高の一部を補償
  • 就業不能補償付き団信:災害や病気で長期間働けなくなった場合に返済が免除される
  • 特定疾病団信:がんなどの病気により返済が困難になった場合の保険

自分のローンにどのタイプの団信が付いているかを事前に確認しておくことで、万が一の時に安心できます。

4. 火災保険・地震保険による補償

災害時には、保険による補償も大きな助けになります。
特に火災保険と地震保険は、住宅再建やローン返済の資金源として重要です。

  • 火災保険:火災・風災・水害・落雷などが補償対象。修繕費やローン返済に充当可能
  • 地震保険:地震・津波・噴火による損害を補償。被害の程度に応じて保険金額の5〜100%が支払われる

ただし、火災保険だけでは地震被害は補償されないため、地震保険や上乗せ特約の加入が不可欠です。

5. 被災後にすぐ行うべきこと

被災後に支援を受けるためには、正しい手順を踏むことが大切です。

  1. 罹災証明書を取得する
     市町村に申請し、被害状況を公式に証明する書類を発行してもらう。
  2. 金融機関・保険会社に連絡する
     契約内容と利用できる特例措置を確認する。
  3. 専門機関に相談する
     弁護士会や金融庁の被災者支援窓口では、無料で制度案内や手続きをサポートしてもらえる。

この3つを早めに行うことで、返済免除や保険金支払いまでの時間を短縮できます。

6. よくある誤解と注意点

  • 「被災すれば自動的に免除される」わけではない
     申請や審査を経て初めて免除が認められます。罹災証明書と相談記録が必要です。
  • 「火災保険があれば地震も補償される」とは限らない
     地震による火災や倒壊は地震保険の対象です。必ずセットで加入しましょう。
  • 「返済猶予」は免除とは違う
     猶予は一時的な延期であり、返済義務は残ります。免除制度を希望する場合はガイドライン手続きが必要です。

7. 災害に備えて今からできること

  1. ローン契約を見直す
     団信の内容や特約を確認し、災害補償付きプランへの切り替えを検討する。
  2. 保険内容を整理する
     火災・地震・家財の補償金額と期間を把握する。
  3. 重要書類をまとめて保管する
     契約書や保険証券を防水ファイルなどに入れて避難時にも持ち出せるようにしておく。
  4. 自治体や金融機関の災害情報を定期的に確認する
     特例措置の申請先や連絡先を事前に調べておくことで、いざというときに慌てません。

まとめ

住宅ローンと保険の災害時支払い免除制度は、被災後の生活を立て直すための重要な仕組みです。
災害救助法の特例措置や債務整理ガイドライン、団信・保険特約などを正しく理解しておけば、もしもの時に家計の負担を大幅に減らすことができます。
「知っておくこと」「早く相談すること」が、家と家族を守る最善の備えです。