耐震・制震・免震の違い
地震に強い家を建てるためには、「耐震」「制震」「免震」という3つの考え方を理解することが大切です。
これらは似たような言葉に見えますが、建物が地震の力にどう対応するかという点で大きく異なります。
この記事では、それぞれの仕組みと特徴をわかりやすく解説します。
耐震(たいしん)とは
建物そのものを強くして揺れに耐える構造のことです。
壁・柱・梁などの構造体を強化し、地震の力に「耐える」ことで倒壊を防ぎます。
特徴
- 建物の強度そのものを高める(筋交いや耐力壁など)
- 施工コストが比較的低い
- 大地震後に変形や損傷が残る場合もある
向いている建物
- 木造住宅全般
- コストを抑えつつ一定の耐震性を確保したい場合
制震(せいしん)とは
建物内部に「地震の揺れを吸収する装置(ダンパー)」を設置し、揺れを軽減する仕組みです。
制震ダンパーが振動エネルギーを吸収して、建物全体の変形を抑えます。
特徴
- 揺れを最大で50〜70%軽減できる場合もある
- 繰り返しの地震に強く、建物の損傷を抑えられる
- 耐震構造との併用が多い
向いている建物
- 中高層住宅や3階建て住宅
- 大地震後も補修コストを抑えたい建物
免震(めんしん)とは
建物と地盤の間に「免震装置」を設けて、揺れを建物に伝えにくくする構造です。
建物を“浮かせて”地盤の揺れから切り離すイメージです。
特徴
- 地震の揺れを約1/3〜1/10程度に低減
- 室内の家具転倒リスクも小さい
- 免震装置の設置スペース・コストが必要
向いている建物
- 病院・庁舎・マンションなど安全性が特に求められる建物
- 高性能住宅や高価な設備を守りたい場合
3つの構造を比較
| 種類 | 揺れの抑制方法 | 特徴 | コスト感 |
|---|---|---|---|
| 耐震 | 建物を強くする | 倒壊を防ぐが、揺れは大きい | ★ |
| 制震 | 揺れを吸収する | 構造被害を抑える | ★★ |
| 免震 | 揺れを伝えない | 室内も安全・コスト高め | ★★★ |
フロックスの取り組み
フロックスでは、建物の構造・規模・用途に合わせて、
「耐震+制震」を組み合わせたバランス設計を採用しています。
- 構造計算に基づく耐震等級3相当の設計
- 制震ダンパーの採用による揺れの低減
- 鉄筋コンクリート一体構造「DURABEST」による高い耐震性
- 木造住宅では、耐力壁配置と金物計算による強固な構造設計
「壊れない」だけでなく、「揺れにくく」「長く安心して暮らせる」家を目指しています。
まとめ
- 耐震:建物を強くして揺れに“耐える”
- 制震:装置で揺れを“吸収する”
- 免震:地面の揺れを建物に“伝えない”
地震への備え方は1つではありません。
フロックスでは、お客様の暮らし方やご予算に合わせて、最適な構造・工法をご提案しています。