ZEH+とは?2025年以降の新基準を先取りした、省エネ住宅の新常識
ZEH+とは?省エネ住宅の進化形
ZEH(ゼッチ)とは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス」の略で、家庭で消費するエネルギー量を「創るエネルギー」で相殺し、実質ゼロにする住宅のことです。
ZEH+はその上位仕様で、より高い断熱性能や省エネ設備を備え、快適性と環境性をさらに両立した住まいを指します。
ZEH(ゼッチ)との違い
従来のZEHは「断熱+省エネ+創エネ」でエネルギー収支をゼロにすることを目的としていました。

ZEH+ではこれに加えて、「高度な省エネ制御」や「蓄電システム」「電気自動車との連携」などを含み、災害時や停電時でも暮らしを支える仕組みが強化されています。

なぜ今、ZEH+が注目されているのか
2025年から新築住宅に省エネ基準が義務化される流れの中で、ZEH+はその先を行く次世代型住宅として注目されています。
電気代の高騰や災害リスクの増加に対しても、エネルギーを「自給自足」できる住まいとして、多くのハウスメーカーが標準仕様化を進めています。
ZEH+の3つの特徴

高断熱・高気密で
快適な室内環境
外気の影響を受けにくい断熱性能と、隙間を抑えた気密性能により、夏は涼しく冬は暖かい室内環境を保ちます。エアコンの使用を抑えながらも快適な温度を維持できるため、省エネと快適性を両立できます。

創エネルギーと蓄電の
両立で停電にも強い
太陽光発電によってエネルギーを「創り」、蓄電池に「ためる」ことで、災害時や停電時にも電気を使用できます。自立型の電源確保ができることで、非常時の安心感が格段に高まります。

スマートホーム対応による
省エネ自動制御
ZEH+では、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)を活用し、照明や空調、家電の稼働を自動制御。
エネルギーのムダを最小限に抑え、日常生活の中で自然に省エネを実現できます。
ZEH+住宅を建てるメリット
光熱費を年間で
数万円削減
断熱・気密・創エネの効果により、年間の光熱費を大幅に削減可能です。電気代の上昇が続く中でも、ZEH+なら安定した住居コストを実現できます。
資産価値の高い
「次世代型住宅」になる
ZEH+住宅は国の定める高性能基準を満たしているため、将来的な資産価値が高く評価されます。中古市場でも「省エネ・高性能住宅」として優遇される傾向が強まっています。
補助金・優遇制度が
受けられる
ZEH+仕様の住宅は、国や自治体からの補助金対象となるケースが多く、初期費用を抑えて高性能な住宅を建てられます。申請次第で数十万円の支援を受けられることもあります。

ZEH+住宅の補助金制度と申請の流れ
ZEH+住宅を建てる際には、国の補助制度を活用することで初期費用を抑えることができます。ここでは代表的な「ZEH支援事業」と「子育てエコホーム支援事業」について、最新情報をもとにわかりやすく紹介します。

ZEH支援事業(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援)
ZEH支援事業は、家庭で使うエネルギーを「創るエネルギー」でまかなう住宅を支援する国の補助制度です。省エネ・創エネ・蓄電を組み合わせた高性能住宅の普及を目的に実施されています。
補助額の目安は、通常のZEHで 55万円/戸、上位仕様のZEH+では 90〜100万円/戸 が一般的です。
さらに、蓄電池やEV連携システムなどを導入した場合は、追加補助(例:2万円/kWh)を受けられるケースもあります。
申請には、所定の断熱性能や一次エネルギー消費量削減率など、国が定める性能基準を満たすことが条件です。
ZEH+の場合は、外皮性能の強化・エネルギーマネジメント・EV連携 など複数の要件を満たす必要があります。
申請の流れ
- 公募要領の確認
- ZEHポータル登録
- 交付申請
- 工事実施
- 実績報告
- 補助金交付
というステップで進みます。申請はSII(環境共創イニシアチブ)の専用サイトから電子申請するのが一般的です。
子育てエコホーム支援事業
子育て世帯や若者夫婦世帯を対象に、省エネ性能の高い住宅の新築・購入・リフォームを支援する制度です。
環境配慮と子育て支援を目的に、国土交通省が実施しています。
新築住宅の場合は
- 長期優良住宅:最大 100万円/戸
- ZEH水準住宅:最大 80万円/戸
といった補助が受けられます。
リフォームや省エネ改修も対象で、上限付きの補助が設定されています。
申請は登録された施工事業者を通じて行い、着工前の交付申請が必須です。
補助金交付後は実績報告が必要で、報告を怠ると返還対象になる場合があります。
まとめ|補助金を上手に活用して高性能住宅をお得に建てる
ZEH+や子育てエコホーム支援制度を活用すれば、性能の高い住まいをより低コストで実現できます。
補助金の申請には期限や条件があるため、ハウスメーカーに早めに相談し、設計段階から準備を進めることが成功のポイントです。
ZEH+住宅を建てる際の注意点
設計段階での断熱・設備選定が重要
ZEH+を成立させるためには、設計段階で断熱材の性能や窓サッシ、空調設備の選定を慎重に行う必要があります。部分的な
妥協があると基準を満たせないこともあるため、早期の検討がカギです。
ハウスメーカー選びのチェックポイント
ZEH+の実績があるハウスメーカーを選ぶことが大切です。施工経験や補助金対応、エネルギー管理システムの導入経験などを確認し、自社で完結できる体制を持つ会社を選ぶと安心です。
まとめ|ZEH+で実現する未来の住まい
家計にも地球にもやさしい“次世代の標準”
ZEH+住宅は、エネルギーを賢く使い、創り出し、蓄えることで持続可能な暮らしを実現します。家計負担の軽減、快適な居住性、そして環境貢献のすべてを叶える“次世代の標準住宅”といえるでしょう。
